のぐともカナダ留学ブログ

15歳で留学開始し、カナダ8年目。 高校、大学を卒業し、現在は幼児教育者としてデイケアで働いています。 次は永住権申請!

教育の本来あるべきカタチ

 
こんにちは、のぐともです。
今回は日本で有名な教育者である金森俊朗先生についてのドキュメンタリー動画についてご紹介!
 

Children Full of Life

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涙と笑いのハッピークラス 〜4年1組 命の授業〜

元々2003年にNHK番組で放送されたもので、それに英語ナレーション+英語字幕がついたバージョンがChildren full of lifeになります。
全体的には、石川県のとある小学校の4年1組に密着取材した映像です。
 
日本で有名な教育者として名が知られている、金森俊朗先生がクラスの中でどう生徒と向き合うかを写し、教育とは何か?という大きなテーマを問うドキュメンタリーになっていて、色んな国の言語でYouTubeに上がっています。
 
 
 
このドキュメンタリーは全て4年1組のクラスについてですが、内容が大体5パートに分かれているので私の見解、自論も同じように分けて書かせていただこうと思います。
*ちなみに、パート毎のテーマは私が勝手に名付けたものです。
 
 

Part 1: エンパシー 〜心に人を住まわせる〜

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この金森先生の4年1組のクラスでは毎朝のHRで手紙ノートというものを何人かがみんなの前で読むのが決まりです。手紙ノートには幸せ、驚き、悲しみ、苛立ち、決心、感謝など子供たちが実際に感じた事、つまり彼らの心の声が書いてあります。
 
この手紙ノートのポイントは
自分の気持ちを他人とシェアする。
シェアを通し共感がうまれる。
他人の心の声に耳を傾ける。
 
 金森先生の名言
心に人を住まわせる
自分の心の声をシェアして、みんなに聞いてもらうことによって共感が生まれ、そうやって自分の心の中に人が住み着く。
 
ある男の子の手紙ノートは数日前に亡くなったおばあちゃんについて。彼がその祖母の死をどう感じたかをみんなの前で読み上げると、たくさんの生徒が手を挙げ、似たような体験を話し始めます。彼の手紙ノートが他の生徒の記憶や共感を呼んだのです。
 
1人の女の子は3歳の頃にお父さんを亡くしてしまっていて、当時は悲しすぎて手紙ノートにすら書くことが出来なかったけど男の子の話に共感して、彼女がずっと1人で抱えていた当時の悲しみを話してくれました。つまり、その男の子の手紙ノートが彼女が閉ざしていた心の扉を開けたのです。
 
  • 私がまず凄いなと思ったのは、小学4年生にして死という大きなテーマを全員が理解しているということ。大人は「まだ子供だから」「傷つけないように、悲しませないように」と言って、生きるという事の暗い部分を隠しがちです。でも金森先生は隠そうとはしません。そういった部分も含めて生きるという事であり、いずれは必ず学ぶものだからだと思います。そして、大人が思ってる以上に子供は理解できるからです。実際こにのクラスの子達はみんな死の重みや悲しみをきちんと理解しています。

 

  • 次に驚いたのは、子供たち自身がそれぞれお互いを思いやっているという事。手紙ノートでの話が終わり、何人かの泣いてる生徒に他の生徒が背中をさすってあげたり、ただ隣にいてあげたり、時には一緒に泣いてあげたり… そう言った本当の思い遣り(genuine care)を自然と出来ていることが凄い。これは大人でもなかなか出来ない。自分の自己満であったり、見返りを求めるとかで相手を思い遣るのではなく、自然と何も言わずに相手の心の支えになろうとする純粋い誰かを思いやるという気持ちを私たち大人はどこに置いてきてしまったのか。
 
 

Part 2: 考える力を育てる 〜他人と向き合う前に自分と向き合う〜

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金森先生はクラスでいじめについて言及しています。発言の機会を与えましたが、最初の話し合いではみんな「これをしてはいけない」「これこれこうする事で傷つく人もいる」など客観的な意見しか言わず、誰もイジメそのものを認める発言をする生徒はいませんでした。
 
そこで金森先生の喝が入ります。
「君たちは綺麗事で片付けるつもりか?やっぱり自分のことを棚上げして言ってるじゃないか」
結局みんな人のことしか言わず、誰も自分がやっていたとは言わない。例え自分がいじめの主犯だとしなくても、噂に乗っかったり広めたり、無視したり、誰もイジメを辞めようとはしなかったでしょう?と。
 
そこで終わらせないのが金森先生。
これを踏まえてもう一度考えなさい、と生徒にさらに自分と見つめ合う時間とみんなと向き合う機会を与えます。そして何日もかけゆっくりとイジメというテーマに向き合って行く。
 
何回か自分と向き合うにつれ、子供達のイジメへの考え方や態度も変わっていくのが伝わってきます。1人の女の子は「自分も昔いじめられていて、その辛さを知っていたにもかかわらず同じことをしてしまった」と泣きながら告白してくれました。
 
  • 教師の中にも2通りの違いがあります。1. 学校の方針や自分の教育やカリキュラムにひたすら従う先生。2. そういった学校の方針や自分のカリキュラムよりも、今目の前にいる子供たちの為に動く先生。金森先生は確実に後者。自分の中である程度クラスのスケジュールというものは組んでいたはずだけど、生徒たちがイジメという大きな壁にぶつかっていることに目を瞑らず、授業の時間を割いてまでゆっくりと時間をかけて生徒達に考える時間を与えた。

 

  • 答えを与えることはとっても簡単だけど「これこれこう傷付くからこれはダメ」などとすぐに結論を与えずに、生徒達自身に考えさせる。答えを与えるよりも断然時間はかかるけど、本当に生徒達のことを考えていると言えるのはこういった先生の方だと思いました。

 

Part 3: 問題解決能力を育てる 〜子供と共に学び、共に成長する〜

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生徒達がいかだ作りのプロジェクトを行っているのですが、そんな中1人の男の子(荒木くん)が大事な話の時も常にお喋りをしている、と金森先生に指摘され「今日はもういかだ作りに参加しなくていい」とお叱りを受けるところから始まります。
 
そこに1人の陽くんという男の子が「確かに荒木くんは喋ってたかもしれないけど、それといかだ作りは関係あると言えばあるけどないと言えばないし、荒木くんはその分を取り返す為にも参加するべきだと思うし許してあげてください」と金森先生にお願いをします。すると他のクラスメイトもみんな声を揃えて荒木くんの為に「お願いします」と声を発しました。
 
陽くん
「このプロジェクトは僕たちのプロジェクトで、先生に全て頼ったわけじゃないから僕たちみんなが荒木くんを許せば荒木くんは参加しちゃいけないことにはならない」
 
そのみんなの意見を金森先生は受け入れ、全員でいかだ作りを再開します。
金森先生「これをやってきたのは俺たちだから先生が俺たちのその苦労まで取り上げるのは筋違いだ。ましてや、荒木くんはいかだで問題を起こしたわけじゃない。解決策は問題とマッチするべきだ。子供たちの言う通り。あれだけの事は大人もなかなか言えない。私の完璧な負けです」
 
  • 私は何より金森先生が自分の負けだ、と言った事にとても素晴らしいなと思いました。教師という立場上、どうしても先生って上から目線になりがちだと思うんです。私は先生、あなたたちは生徒。私が正しい。私に従いなさい。ってそういう考え方の先生って多いですよね。そんな中こんな風に子供たちから学び、子供たちと共に自分も成長していく姿勢を常に忘れない金森先生には本当に尊敬しかないです。
 

Part 4: 生と死 〜人生とは美しく儚いもの〜

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クラスの男の子のお父さんが亡くなってしまったという事を敢えてみんなに伝える金森先生。子供たちと真正面からぶつかっていきます。
 
  • 子供たちにはファンシーなことだけ教えてればいいなんて事はありません。今は子供でも、大人になり、必ずいつかは向き合わなければいけない時が来ます。そういう場合にどう生きていけばいいのか、生きるとはどういうことか、それを自然と学ばせていくのが金森先生の方針です。
 
「命には約束がない」
「だからこそ生きる事の意味をしっかり考えて欲しい」

 

  • こうハッキリ子供たちに言える先生や大人はどれだけいるでしょう?まだ子供だから、という理由で口を閉ざしてしまったり、曖昧な大丈夫という言葉で片付けがちな私たち大人ですが、果たしてそれが正しいことなのか分からなくなりました。
 
金森先生のクラスの子供たちは小学4年生にして、命の重みをしっかりと理解している上で、一生懸命彼らなりに父親を失ってしまった男の子を支える方法を模索していました。
 
  • 私が小4の頃に同じ話を聞かされて、果たしてそこまで友達のために尽くせたでしょうか?そこまで親身になって支えようとしたでしょうか?きっと出来なかったと思います。彼らがそれだけ出来たのは、金森学級で金森先生と共に、命や共感することの大切さ、本当の思いやりというものを学んできたからだと思います。

 

  • 教えることが仕事じゃない。人生はこうだから、こう生きなさいと答えを提示するのではなく、生きるとはこういうことだ、ではこうした状況にあった時にどうすればいいのか、という考え方に導くのが本当の教育者なんだと実感しました。
 

Part 5: 旅立ち 〜金森学級最後の授業〜

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クラスメイトの子達が、父親を亡くしてしまい悲しんでるであろう男の子にために自分たちが出来ることはないか、と休み時間に考えています。そして、天国にいる彼のお父さんへ手紙を書こうという事になります。もちろんパート1で出てきた、3歳でお父さんを亡くなってしまった女の子のお父さんへ向けても。
 
天国から見渡せるように、とクラスメイト全員が協力しながら校庭に棒を使って文字を書いていく。書き終わった文字たちはとても大きく、力強く、そして思いやりが詰まってるように見えました。書いた後は全員で声を揃えて読みます。
 
  • この一連を通して、彼らの絆がより一層深まり、お父さんを亡くした2人の気持ちも心なしか軽くなったように見えました。これが金森先生が最初に言っていた、人を心に住まわせるということか、と最後に納得します。
 
ラストは、卒業する子供達へ金森先生が最後の授業をするシーンで終わります。
ー繋がり合うー
金森先生「仲間に自分を理解してもらい、仲間を自分のように理解する。そういう繋がり合う努力を君たちはこの2年間してきました。思い出に浸るのは僕は好きじゃないが、辛い時に あぁ、あんな風に助けてくれた友達がいたなぁ という思いが励みになってくれればいいと思う」

 

子供たち一人一人と笑顔でハイタッチしている様子でこのドキュメンタリーは終わります。

感想

  • 子供は偉大であるということ
  • 本来の教育というのはこういうカタチであるべきだ
ただカリキュラムに沿って授業を行い、学問的なことを教えるのではなく、"生きるとはどういうことか"ということを子供達が考えられるように導いてあげるのが教育者の役割であり、本来の教育のあるべきカタチだと思います。
 
子供達をただの"子供"という存在ではなく、1人の人間として接していくことがまず大事なんだと学びました。子供は私たち大人が考えている以上にたくさんのことを理解し、自分で考える力があります。"子供だから"と言って曖昧にしたり、すぐに答えを与えるのではなく、共に学び、そして時には子供から学ぶという姿勢が大事になってくるんだと思います。

名言

最後に金森学級の陽くんの名言でお終いにします。

「教室では先生がキャッチャーで、子供がピッチャー」

「他の先生はストレートしか取ってくれないけど、金森先生はどんな変化球でも必ず取ってくれる」

 
素晴らしい例えですね。
典型的な先生というのは逆で考えがちなのですが、こういった金森先生のような教育者が増えれば、もっと子供達の可能性が伸びるんじゃないか、と思います。
 
私も金森先生みたいな教育者/大人になれるように頑張りたいです!
 
 
 
 
のぐとも